愛されるにはワケがある!ツーリング定番テント・ogawa ステイシー ST-II レビュー
久々のテントレビューです!
ハピキャンでは何度かやらせて頂いてましたが、ブログでは久々ですね。
あちらでも正直に良い点・悪い点を書いておりますが、真っ当なメディアですのでメーカー様のチェックは入ります。
ブログではこうしたチェックは一切ございませんので、好き放題書きます!
(別に悪口を書くわけではないです)
キャンパルジャパン ogawa ステイシーST-II
老舗メーカー、キャンパルジャパンのステイシー ST-IIです!
1914年創業ですから、100年以上続いているブランドですよ。
創業当初からずっとテントを作り続けているわけではないにしても、すごいことですね~。
世界的に見ても珍しいんじゃないでしょうか。
今回ご紹介するのはツーリング向けテントとして大人気のステイシー ST-II。
IIと言うぐらいですから、前身となるI(ステイシー ST)もあります。
商品バリエーションも、ちょっと軽量なステイシー ネストなどが存在しますが廃盤なので割愛。
今のキャンプブームなら、ナイロンで軽量な「ステイシーネストII」など出すと売れそうな気がしますね。
ステイシー ST-II スペック
設営サイズ | 300×230×130(h)cm |
インナーサイズ | 150×220×120(h)cm |
収納サイズ | 52×19×19cm |
重量 | 総重量(付属品除く):3.9kg 幕体:約2.7kg、ポール:約1.2kg |
素材 | フライ:ポリエステル75d(耐水圧1,800mm) インナーテント:ポリエステル68d グランドシート:ポリエステル75d(耐水圧1,800mm) ポール:7001 アルミ合金(φ9mm、φ10.3mm、φ9.5mm) |
カラー | ダークブラウン×サンドベージュ、カーキ×レッド |
付属品 | アルミピン、張り綱、セルフスタンディングテープ(前室部)、収納袋 |
希望小売価格 | ¥46,200(税込) |
スペックから見ると、1~2人用テントとしては大型の部類。重さもちょっと重めですね。
耐水圧なども一般的な感じで、特にすごいというわけではありません。
それでも人気ということは、スペック値に現れない魅力があるということにほかならないわけです!
そしてそれを紹介するのが、ブロガーというわけですね!!!!!
ステイシー ST-IIの魅力
はい、少し落ち着きましょう。
ステイシー ST-II最大の魅力は、この広めの前室。
これが8割を占めます。異論は認めますが。
フロアサイズ110×220cm。
台形型で前方は幅220cmもないのですが、実質的にソロ用の2ルームテントと呼んでもいいぐらいの広さです。
ソロキャンプの荷物を一通りしまえるだけの広さがありまして、タープを張らなくて前室だけでいいやとなれるんですね。
高さは一番高いところでも130cmとあまり高くはないので、普通の高さの椅子を入れて座ると頭が当たります。
地面に近いグラウンドチェアなら良いのですが、足を伸ばすとやはり狭さは感じます。
なのでインナーも使って、広々と過ごすのが良いですね。
荷物を濡らさなくて済み、雨の時はテント内の前室かインナー内で過ごすことができる。
それだけで十分ありがたいと言えます。
インナーも220×150cmとソロには広めで、寝床以外に荷物をたくさん入れておける余裕があります。
2人は並んで寝れますね。3人はちょっときつい。
おすすめはソロです。荷物をたくさん乱雑にインナーと前室に置いても収まるので。
後ろ側にも出入り口と靴置き場があり、ここもうまく使えば2人でもそこそこ快適じゃないかと。
夜寝る前、前室に夜露で濡らしたくない荷物を詰め込みますと出入りがしにくくなりますよね。
そういった時も、後ろから出入りができます。
フライ側にも開く位置が多いです。前後の他、前室の左右両サイドも開きます。
濃い茶色の部分にファスナーが隠れておりますよ。
両サイドのドアは、開けた際に地面に垂れて汚れないようファスナーと連動して動きます。
地味ながらも嬉しい機能です!
前と後ろのドアには付いていません。反対側の手で垂れないよう支えましょう。
フライシートのドアにメッシュは無く、メッシュになるのはインナーテントの前後ドアのみです。
重くなりますし、スカートが無いのでシェルター使いもしませんから別に要らないですね。
設営、撤収も楽で速いです。手順は後ほど。
ソロ用ドームテントなら平均的な所要時間とも言えますけどね。
前室が広い実質ソロ用2ルームテントを、短時間で建てられるという素晴らしさ!
実際ファミキャン用テントを一人で建てている人からすると、余裕すぎるぐらい余裕なはず。
ポールの組み方が独特ですが、一度やれば覚えられるでしょう。
ステイシー ST-IIの収納サイズ。52×19×19cmと、直径は太いですが長さが抑えられています。
これは車でしかキャンプに行かない人にはそんなに関係無いですが、バイクや自転車、徒歩の人にはとても重要です。
重さが4kgもあるので徒歩だと重いでしょうから、おすすめはバイクです。
収納長さが60cm以上あると、荷台からのはみ出し量が大きくなってしまいます。
法律でバイクの荷台から左右15cm、後ろ30cm以上はみ出てはいけないことになっていますが、52cmのステイシーは小さめの荷台でも余裕で積める!というわけですね。
その他の近代テントに備えている細かい機能も、一通りはある感じです。
インナー内の収納ポケット。両サイドにあります。
インナー天井にはランタンを引っ掛けられるループと、ロープを渡してタオルを干せそうなループ。
ここに開閉できるメッシュベンチレーターが1つあっても良かったかな?
前後をメッシュにしておくだけでも、換気はできますけども。
前室側にはループはありませんが、真ん中にポールが通っています。
軽めのLEDランタンをカラビナなどで吊るせるので、ループが無くても特に困りません。
ポールを傷めない軽めのランタンに限りますよ。
オプション品で、フライシートだけで自立させられるスタンディングテープがあります。
これを使うと、雨の時はインナーテントを極力濡らさずに設営撤収ができます!
一瞬いいかもと思いましたが、実際に雨が降っている時を考えますと。
スタンディングテープを広げてポールを組んで挿して、フライをかけて...
とやるよりもタープ1枚張っちゃう方が早いし、張った後はその下で悠々とテントを張れます。
その後のキャンプ中もタープがあった方が快適なので、私は要らないです。
もちろんタープを持たずに最少の荷物でやりたい方は、検討する価値はあると思いますよ。
前室が広めでタープが不要になるだけのポテンシャルはありますからね!
スタンディングテープでシェルター的な使い方もできますが、前述の通りフライシートにはスカートもメッシュパネルも無いです。
シェルターとしての性能には疑問があり、無理にステイシーではなく他にもっと優れた製品がありますね。
ステイシー ST-II 設営について
設営手順を紹介していきますが、その前にインナーの底に敷くグランドシートの紹介です。
私が購入したのは、この ogawaマルチシート(220cm×150cm用) 1303。
重さが約420g。銀色のPVCの方が耐水圧は高いですが、あちらは1kgを超える重さです。
もっと軽い同じサイズの汎用品やブルーシートでもいいかな、とも思っていたんですけどね。
それは間違いだったことを、後に思い知らされます。
ogawaロゴを地面側にして敷きます。
こちらの方が水をよく弾くので。
まだペグダウンはしませんよ。風が強くて飛びそうだったら、インナーテントか石でも置いておいてください。
テントの内容物です。
左から収納袋、フライシート、インナーテント&ポール袋、ペグ袋。あと説明書。
付属ペグはアルミ、地面次第で使えなくもない感じ。
硬い地面だと曲がって刺さらないです。
私は手持ちのユニフレーム ジュラパワーペグ200を使いました。
グランドシートの上に、インナーテントを広げます。
長いコの字にスタンディングテープが付いている方が前室になります。
ポールは3本。一番上のポールににジョイントが付いていて、真ん中と下には付いていません。
このジョイントが付いていない2本で、インナーテントを建てます。
ポールを組み立てたら、インナーテント角のハトメに入れます。
挿し込むだけで、末端がキノコの傘のようになっているので引っかかります。
対角線にポールの端を入れて、クロスさせます。
このままだと倒れそうなので、手でおさえていますよ。
ポールにインナーテントのフックをパチパチセットしてあげると、倒れず安定します。
手が離せるよう、どんどんパチパチはめてしまいましょう。
写真では頂上部分も引っ掛けていますが、これは間違い。
後で別なポールにはめるのが正解です。
この時点で、グランドシートとインナーテントはくっついてませんよね。
ポールの端がハトメを貫通して、その先っぽが少しあまっていますね。
この溝にogawaマルチシート四隅のフックが、ちょうどピッタリ引っかかるようになっています!
絵では茶色のフックが隙間に遊びがあるように見えますが、実際はけっこうピッタリはまります。
こうなると何が良いのかと言いますと、テントを持ち上げるとグランドシートも一緒に付いてきます。
自立式テントですと張った後に移動したい場合がありますが、この時にグランドシートもズレずに一緒に動かせるんですね。
これは汎用品を使っている場合じゃないですよね!専用品バンザイ!!!
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細かいけど、できたら便利なことですよ。
細やかな気遣いは、長年テントを作ってきたogawaの本領というところでしょう。
グランドシートなんてブルーシートでいい、そう思っていた既成概念が覆されました(大げさ)。
続いて1本余っていたジョイント付きのポールを組み立てます。
これはフライシート用のポールになりますね。
三叉ジョイント部分が前室側に来るように置きます。
先に前室側のスタンディングテープのハトメに、ポールの端を入れます。
片側を入れて、もう片側を入れると手を離しても大丈夫。
後ろ側にも短いスタンディングテープがあるので、ここのハトメにポール末端を挿入。
フレームの完成です。
ここまでの所要時間は大体5分~10分かかるかどうか、といったところ。
インナーテントとポールの位置関係はこんな風になります。
インナーのクロスポールの上をフライシートのポールが通り、インナー天頂のフックでクロスポールを挟むように吊り下げ。
フライシートをかぶせます。
前後はドアの位置で判断してください。
ファスナーのカバーの濃い茶色の線が何本かあるのが前、1本だけなのが後ろです。
フライシート内側のベルクロをポールに巻きつけていきます。
フライシートを一部めくって、上から順番に付けるとやりやすいです。
フライシートのバックルを連結していきます。
左右に3つずつ、後ろに1つで計7つ。
ペグダウンして、フライシート裾のバックル部分の長さを縮めて張りを調整。
ペグはテント本体で、左右に各4本・後ろに1本で計9本です。
ロープは6本付属。
フロント跳ね上げ用は無いので、自分で用意しましょう。
ロープを打ち込み、ベンチレーターはマジックテープの突っ張り棒で引き起こし、完成です!
ロープやバックルでテンションをかける際は、写真のようにドアなどは閉めて行いましょう。
開いたままペグ打ちすると、ぱつんぱつんで閉まらなくなることがありますので。
後ろ側もベンチレーターがありますので、忘れずに開き起こしておきましょう。
ベンチレーターは内側にメッシュがあり、常時通気状態です。
スカートが無いので、虫などは下から入ります。
ペグを打つタイミングは、風の有無で先に打つなど臨機応変に。
ステイシー ST-II 撤収について
撤収は設営のまったく逆の手順です。
- ロープをゆるめる
- バックルをゆるめて外す
- ペグを抜く
- フライシートのベルクロを外す
- フライシートを外して畳む
- 長いポールを外す
- インナーテントのフックを外す
- ポールを抜く
- インナーテントを畳む
フライシートは内側をくっつけるようにして、端の方から畳んで四角くなるよう畳みます。
ロープは付けたまま畳みました。
撤収の方が考えることが少なく、速いです。
撤収前にグランドシートをくっつけた状態で、一人で日当たりの良い場所に移動するのもかんたん。
背がすごく小さいと厳しいかもしれません。
ファスナーを開けて中に入って、下からポールを持ち上げる感じで歩いていけますw
回りに十分注意するのと、風が強い時は注意ですよ。
もちろん自己責任でお願いします。
はたから見るとテントが歩いているように見えて笑いも取れるはず。
2人いれば、こんな持ち方はしなくても大丈夫。
脳内でサザエさんの曲が流れて、少し楽しい気持ちになるのも嬉しい誤算。
購入情報
このテント、キャンプブームと新型コロナの影響なんかで手に入りにくい状況です。
私は直営店のogawaグランドロッジ渋谷のオープン時に買えました。
関連記事:渋谷にアウトドアパークが出現!?パルコに行ってきましたよ
ネットだと転売価格になっています。
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私は転売屋からは絶対買わないので、現状ネットでの購入はおすすめしたくありません。
アフィリエイトリンクは確認用で、定価以上では買わないで良いです。
WILD-1などの真っ当な販売店や、直営店のGrand lodgeを覗いてみてください。
記事公開の前日、都内の新木場Grand lodgeにお邪魔したらしっかり在庫ありました。
とても良いテントなのは間違いないですが、転売価格で買うぐらいならogawaの純正マルチシートですとか、テントと合うタープを買った方が幸せになれます。
まとめ・バランスの良さでツーリング最強
広いけど決して広すぎない前室とインナー、重すぎずバイクなら普通に運べる程度の重量。
そこそこ簡単な設営と撤収。細やかな作りの良さ。
一つ一つは決して最高でもないのですが、バランスの良さで最高に使いやすく仕上がっているテントです。
軽さを重視する人にはもっと軽いもの、設営の速さを求める人にはもっと簡単なものがありますよね。
こいつは色々な科目において平均点以上で、結果的に総合点で学年1位を取ってしまうようなやつです。
多くの人にハマり、愛されるだけのポテンシャルがあるわけですね。
特に欠点らしい欠点も無いと言えますが、使い方によっては不満が出る人もいるかも。
フライシートにスカートが無いので、真冬の前室は寒いです。
ストーブは小型のカセットガスストーブなら前室でなんとか使えるんじゃないかと思いますが、大声でおすすめはできませんね。
ポリエステルですから、引火したらよく燃えます。
冬は服装をメインに防寒して、さっさとインナーに入って寝袋に入ってしまうのが良いんじゃないかと思います。
タープとの連結については、また別の記事でやります。
予定ではシステムタープペンタ3×3なんかと。
追記:こちらの記事で小川張り連結してます
小川張り標準対応!ソロキャンプにおすすめ・ogawa システムタープペンタ 3×3
ステイシーST-IIは買って損は無いバランスの良いソロ用テント、特にバイクツーリング用途なら最高の選択と言えますよ!
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