ツーリング向け?コンパクトバーナー・SOTO G-ストーブ ST-320レビュー
日本のアウトドア用ガス機器の中でも、屈指の人気メーカーと言えば。
そう、新富士バーナー・SOTOブランドですね!
異論は認めますけど。
先日シングルバーナーを新たに1つ追加しましたので、レビューします。
G-ストーブ ST-320
手軽に使えるカセットガスのシングルバーナーが欲しかったのです。
SOTOの手軽なガスストーブの代表といえば「レギュレーターストーブ ST-310」だと思いますが、あえてST-320にしました。
ブログネタ的に風防改造や脚のシリコン装着、輻射熱なんかの対策なども出尽くし感がありますし。
ST-310はどなたにも幅広く使われている印象ですが、ST-320はちょっとマニアック。
SOTO公式ガイドではツーリング向けに2重マルになっています。
SOTOさんが自社のシングルバーナーを、目的別に選び方の目安として案内している表です。
ツーリングは全部のシングルバーナーで2重マルですがw
フィッシングの扱いが良く分かりませんね...魚をその場で焼くわけでもないでしょうし。
ST-310やST-320を登山で使っている方もいますし、ウィンドマスターをキャンプで使えないわけではありません。
あくまでも「超おすすめ」「おすすめ」「他のがもっとおすすめ」という感覚で見て頂くとよろしいかと。
ガソリンを使えるMUKAとストームブレイカーは、ツーリングに花マル付けてもいいと思いますしw
参考記事:SOTO ストームブレイカー買っちった。サイズや収納、定番カスタムなど使い始め情報
価格がST-320の3倍ですけど...
この後の記事内で、なぜST-320は登山△でツーリング2重マルなのか?ということにも触れていきます。
G-ストーブ ST-320 スペック
外形寸法 | 幅153×奥行195×高さ77mm(使用時・本体のみ) 幅142×奥行78×高さ25mm(収納時) |
重量 | 380g(本体のみ) |
発熱量 | 2.1kw(1800kcal/h) (ST-760使用時)、1.7kw(1500kcal/h) (ST-700使用時) |
使用時間 | 約2.1時間(ST-760 1本使用時)、約2.6時間(ST-700 1本使用時) |
使用燃料 | 新富士バーナー製品専用、SOTO製品専用容器(CB缶) |
点火方式 | 圧電点火方式 |
材質 | 本体:アルミニウム+ステンレス、火口:アルミダイカスト、バルブ:真鍮 |
付属品 | 収納ケース、補助ゴトク |
スペックから見ると、火力がちょっと控えめというのが分かりますね。
低温環境下でも安定するマイクロレギュレーターの搭載はありません。
他のカセットガスコンロと同じく、SOTOのCBガス缶以外も使えます。
ガス検定を通してPSLPGマークを取得する際に使われているのが自社ボンベなので、メーカーが推奨するのは自社ガスボンベのみということになります。
細部の紹介
収納ケースが付属しまして、この中に全て収まってます。
幅142×奥行78×高さ25mmの薄い箱型で、コンパクトでとてもパッキングしやすいです。
なんでも世界最薄だとか。
重さは380gと、それほど軽くはなく重すぎるわけでもなく。
「コンパクトだけど他と比較すると重く、OD缶よりかさばるCB缶を使う」という点で、ツーリング向けになるんでしょうね。
袋にギュッと収まっています。
当たり前ですがピッタリで、あえて他社の収納袋を探す必要はないです。
袋から出すと、アルミにヘアラインが美しい本体が出現。
旧製品ではG’zロゴでしたが、現行品はSOTOロゴのみのシンプルさ。
かっこよす!
パカッと開くと、中にバーナー部分が。
この薄さに火器が入っている、それだけで嬉しくなりますw
ガス量調節ワイヤーがバネのようにケースを内側から押して、ポロッと落下しにくくなっています。
こういうカタログに載らない、メーカーさんの工夫!たまりませんね~。
写真左のケースが、脚と風防、ゴトクを兼ねます。
バーナーには点火装置、イグナイター付き。赤いボタンを押すと火花が飛びます。
爪で触っているところ、ケースの側面に板バネがあります。
バーナー側フレームのちょっと太いプレート、赤矢印で示したところ。
このプレートで板バネをケース外側から押しながら、バーナーを下方向に下げます。
カチン!と小気味良い感触を残し、ケースと本体が連結されます。
板バネは左右にありますので、両方の下にバーナーの厚いパーツが来ていれば大丈夫。
この状態になると、バーナー側を持ってもケースが外れません。
続いてガス缶をセット。
指で触っている黒い出っ張りを、CBガス缶の切り欠きにセットします。
ガス缶を奥まで押し込んだら左に90度回し、切り欠きが真上に来るようにします。
逆方向には回りませんし、90度を超えて回りすぎることもありません。
もし切り欠きが真上に来ていないと、生ガスを噴出してしまい危険です。
ガス検定を通っている機器ですと、誤ってセットできないようになっています。
ガス検定を通っていない一部の海外製品では、適当にやってもなんかセットできてしまうことも。
特にガス機器は、安さやデザイン先行で選ぶのはおすすめできません。
ガス缶セット状態。なかなか細長くなります。
ミニテーブルフィールドホッパーで、ギリギリガス缶の真ん中あたりまで。
ガスボンベを宙ぶらりんにしてしまうと、こんなことになります。
鍋が載っていれば重みで多少耐えられそうですが、接合部に変な負荷がかかります。
小さいテーブルで神経使うより、いっそ地面に置いた方がいいですね。
テーブルや地面への輻射熱はほとんどありませんのでご安心ください。
あとはステンレス丸棒の補助ゴトクも付属します。
実は上の写真のセット位置は間違っています。
これは適当に置いても使えてしまうんですよね。
間違っていても脱落してしまったりはしないんですけども。
両側の黒い爪3つ、全てが補助ゴトクの内側に来るのが正解です。
小さい鍋やシェラカップなどを火にかける際は必要です。
ゴトクになっている黒い爪の間隔は、約8.5cm。
幅は9~10cmで、上下で違います。
収納する時は、組み立てた時の逆手順。
組み立て時と違うところは、バーナーを外す時に板バネを指で押すところだけです。
実は最初、説明書も何も見ずに組み立てようとして、なかなかできなかったんですよ。
板バネとケースの内側でバーナーの太いところを挟むのかな、と思ってしまって。
説明書をよく読んだらできまして、一度正解が分かれば2回目からは数秒です。
ST-320 燃焼テスト
さっそく使ってみました。
火の付け方は、調整ダイヤルを左に回し、シューとガスの音がしたら赤い点火スイッチを押すだけ。
風が絶えず吹きつける河原で、気温は約26℃。
約600mlのお湯を沸かしているだけなんですが、4~5分待っても全然沸騰しません。
炎が消えないまでも、風でけっこう流れてしまっています。
左右は風防があるのですが、ガス缶と反対側はV型に開いています。
こっち方向から風があると駄目ですね。
風が横から当たるように向きを回してあげるとマシになります。
風防で囲いましたら、そこから1分程度で沸騰しました。
風があっても火が消えることは無いですが、そんなに強いわけでもない、という感じです。
ストームブレイカーなどと比べてしまうと、ですけどね。
遮熱板が約60度ぐらいの角度で立っているので、あまり大きな鍋は置けません。
ここがまたツーリング用とされる部分です。
上の写真はユニフレームの山クッカー角型3の大きい鍋(12.7cm)ですが、これはピッタリです。
ノーマルメスティン(17cm)も大丈夫でしょう。四角いので見た目的にもハマります。
外径21cmの鍋を載せてみました。
なんとか使えなくはないですが、このへんがギリギリな感じですね。
本体の脚はしっかりしているので、意外と不安定にもなりません。
続いて24cmの鍋です。これは厳しい。
別途バーナースタンドを用意すればいけますが、ST-320の最大の長所であるコンパクトさが失われます。
遮熱板を曲げてやってもいけそうですけど、今度は安全ではなくなります。
遮熱板は優秀でして、ガス缶への熱の影響はほとんどありません。
ケースの上とゴトクはもちろん熱くなりますが、脚が持てないほど熱くなることもありませんでした。
火力調整で弱火・とろ火も使えて、炊飯も可能です。
ただし火が鍋底の一箇所に集中するので、焦げやムラにならないよう鍋の位置をちょっとずつ動かしていますw
バーナーヘッドが小さいアウトドア用コンロの宿命ですね。
嫌な方はイワタニのタフまるや風まる、マーベラスなどバーナーヘッドの大きいコンロを使いましょう。
バーナーを移動させる際は、ケースとガス缶をそれぞれ両手で持って動かすのが良いかと。
もちろん火が消えている状態ですよ。
移動が終わったら、ケースのワイヤー脚が最大まで開いているか確認です。
脚がちゃんと開いていると、重心が低いことも相まってかなり安定感があります。
価格と総評
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価格は7,480円。6,000円台で替えるST-310より、ちょっと高いです。
ST-310は点火アシストレバーや脚のシリコンなどが実質必要なので、トータル金額は結局同じぐらいになります。
その代わりマイクロレギュレーターもあるST-310の方が汎用性は上ですね。
風への耐性は左右に風防があるST-320の方が少し上ですが、火力はST-310が上なので大差ないレベルに落ち着きます。
どっちも追加で風防があった方が確実ですね。
ST-320の方がおすすめなのは、荷物をコンパクトにしたいソロ~デュオ使用の方、組み立てギミックが好きな方。
小さい箱型でパッキングしやすく、寒冷地では使わない方向け。
まさにツーリングにはピッタリです!
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