キャンプにおける犯罪と防犯対策についての考察【防犯のプロが監修】
さて、本日のテーマはキャンプにおける犯罪と防犯対策です。
最近犯罪が増えたということもなく、昔からあるのですがキャンプブームで分母(キャンプ人口)が増えたのと、インターネット・SNS等の発達で被害が表沙汰になりやすくなっているということがありますね。
キャンプが好きな人に悪い人はいない!
なんてことはありません。断言できます。確実に悪い人は居ます。
#キャンプ好きとつながりたい とか言ってる場合じゃないです。
自己防衛していないと、悪いやつとも簡単につながります。
今回ですが、防犯のプロの方に記事を監修していただきました!
記事監修
鍵・防犯のスペシャリスト 玉置恭一 氏
22歳から鍵職人として始動。ジャパンロックレスキューサービス株式会社 専務取締役、株式会社ミライアン 代表取締役を経て、ジャパンベストレスキューシステム株式会社入社。同社退社後、株式会社ミライアン再始動。
現在は凄腕鍵開け職人として、多数のテレビ番組にも出演中。
テレビ番組の、開かずの金庫を開ける!という企画でおなじみの玉置さん。
鍵のプロは、防犯のプロでもあるわけです。
それでは、まずはどういった犯罪があるか、考えてみましょう。
キャンプにおける犯罪1 盗難
キャンプギアの盗難。場所によってはとても多いようですね。
お気に入りのキャンプギアが盗まれる、こんな悲しいことはありません。
キャンプ用品のブランド化、メルカリやヤフオクなどに盗品を流しやすくなっているというのもありますし、リサイクルショップでもそれなりの金額で買い取ってくれますからね。
つまりキャンプ好きの衝動的犯行からキャンプを狙った計画的犯行に移り変わっているといえるでしょう。
キャンプにおける犯罪2 痴漢・性犯罪
昨今は女性でもソロキャンプするのが珍しくなくなりました。
それと同時に痴漢や性犯罪といった事案も増えてきたように感じます。
犯罪級の被害じゃなくとも、ナンパやしつこい声かけなどは女性キャンパーなら経験あるのではないでしょうか。
キャンプにおける犯罪3 暴行・脅迫
キャンプの夜はお酒が入ることが多いので、暴力沙汰もありますね。
他人のマナー違反を指摘したのをきっかけに、逆恨みされて嫌がらせや暴力ということも。
私自身はキャンプの最中には無いですが、それ以外でならいくらでもあります。
世の中は悪意に満ちあふれていますね。キャンプ場はその例外となる理由はないです。
他にも騒音や放火、不法投棄などもありますが、代表的なのはここまでに挙げた3つでしょうか。
犯罪をする者の方が悪いのは当たり前ですが、被害者にならないような行動・立ちふるまいというのもあります。
防犯対策1 管理されたキャンプ場へ行く
盗難や痴漢・性犯罪といった犯罪は、管理者不在の無料キャンプ場で発生することが多いです。
統計をとってはいないんですけどw
被害にあった話を掘り下げると、発生しているのは大体が管理者不在の無料キャンプ場が現場となっているんですね。
そういった場所は、キャンプをしない泥棒や性犯罪者でも入って来られるようになっています。
公園などと同じですから、部外者でも入るだけなら犯罪として検挙されません。
もし見つかっても「散歩」と称せるので、獲物を物色してカモがいれば犯行に及ぶなんてこともあるでしょう。
夜の闇や無人になったなどの隙を見て、犯罪行為が行われるわけです。
管理者が夜間も常駐しているキャンプ場や、出入り口が夜間閉鎖されるところでは犯罪発生件数は減ります。
まず部外者は入るだけで不法侵入という罪になりますし、キャンプしに来ていて魔が差す人についても、発覚して足がついて罪になりやすいという抑止効果もあります。
最近は防犯カメラを設置しているキャンプ場も珍しくないですね。
キャンプを始めたてのころにありがちな考えですが、「キャンプギアを買ってお金が無いから無料キャンプ場に行く」
キャンプ慣れしていない時に、これはなかなか危険です。
安全を買うと思って、無理してでも有料で管理人のいるキャンプ場を利用してください。
特にソロキャンプの場合は避けて、家族や仲間複数人で行きましょう。
キャンプと人生の経験をつめば、ここでキャンプしたらやべーな、といった鼻が多少きくようになってくるので我慢です。
対人間だけの話じゃなく、自然環境についても言えることです。
不特定多数の人が出入りするということは怪しい行動が目立たないということになります。怪しまれにくいとなると、犯罪者に狙われやすいスポットとなる恐れがあります。
防犯対策2 キャンプ道具を放置しない
これは盗難の対策ですね。キャンプ道具や貴重品を外出時や就寝時に出しっぱなし、放置しないこと。
普段の生活で考えると当たり前じゃん、ということなんですが意外とキャンプ場では皆さん出しっぱなしにしている方が多いですよね。
みんなやっているから大丈夫なんだな、と思われてしまうのかもしれません。
はい。大丈夫じゃないです。
特に高価なキャンプギアは、施錠できる車にしまう。
最低でもシェルターやテントの前室といった、他の人の目につかないところにしまいましょう。
キャンプ場にテントを張ったまま、周辺観光や温泉に行きたい場合もあると思います。
その時は人目につかないテント内に道具をしまって南京錠で施錠するなどした上で、周りのキャンパーさんや管理人さんに一声かけましょう。
なるべくなら不在にしないことが、防犯上は好ましいのですが。
もし無人の無料キャンプ場でしたら、道具を置いたまま外出すること自体を止めましょう。
泥棒する方が悪いのは当然としても、放置している人の頭も悪いと思われても仕方ないです。
計画的犯行であれば犯罪者は下見をして目当てのものを予め物色している可能性があります。出しっぱなしはその時点でターゲットとなる危険な行動といえるでしょう。
防犯対策3 SNSで居場所を公開しない
「キャンプきたー!たーのしー!!!みんな見てーーーー!!!!」
「限定ギアようやくゲット!自慢したい!!」
おもに盗難、そして痴漢・性犯罪の対策として、SNSなどでのリアルタイム発信は控えましょう。
今ここに行けばこの人に確実に会えるんだ、この道具があるんだ、ということが周知されてしまいますから。
もしそこが無人の無料キャンプ場だったら、監視の目も甘いので...
場所の名前を入れて発信していなくても、風景だけでバレることも珍しくありません。
性犯罪についてですが、発信しているのが女性だったりすると、フォロワーさんの中にも残念ながらいますよ。
ワンチャンいけるんじゃね、と性的な目で監視している人が。
普段顔出しなんてしてないし、見た目ブサいし、というあなたの自己評価は性犯罪者にはあまり関係ないです。
こう書くと誤解を招くかもしれませんが、性的嗜好は人それぞれ。
性別が女ならいいって獣みたいな人間も、世の中には居るんですよ。
私自身はちょいちょいリアルタイムでのキャンプツイートなどをすることもありますが、周りに人がいるなどで安全が確保されていない時は絶対しません。
女性の場合はご夫婦や男性と一緒に行っているなら、発信危険度は下がりますがそれでも時間はずらした方がいいです。
家がバレていれば留守宅に空き巣に入られる、という可能性もゼロではないです。
犯罪者のターゲットとなった時点で高い確率で被害に遭うといっても過言ではありません。自らターゲットなるような発信は絶対にNGです。
防犯対策4 隙を見せない
隙を見せない。
急に具体的じゃないザックリした感じになって申し訳ないですwこれから補足します。
ここで言う「隙」というのは、こいつからなら盗めそう。イタズラできそう。といったものです。
防犯対策2で申し上げた、道具から目を離さずしっかり管理するというのも、隙を見せないことの一つです。
ラジオをうるさくない程度にかけておくなども、人の気配を感じさせて抑止効果を狙うのに良いですね。
痴漢・性犯罪対策の場合、必要以上に接近してくる人に対しての拒絶意思を示す。
言い方次第で逆恨みされるかも、という怖さ、心配もありますよね。
実際、キャンプ場で馴れ馴れしいオッサンとか珍しくもなくいっぱいいます。
「彼氏に電話しないといけないので」とか、「内職ノルマがあるから時間がないので」など距離を取りましょう。
私みたいに「仕事で撮影しないといけないので、すいません忙しいです」というのも。
犯罪意識の無い、普通に距離感が近めなフレンドリーな人だったら、それで察してくれるはず。
それでもまだ話を広げてこようとしたら、「やめてください。」とはっきり拒絶して、すぐ管理人さんや他の無害そうなキャンパーに助けを求めましょう。
変な人が絡んでくるので助けてください、もしもの時はお願いします、と。
テント内に勝手に入ってくるのはもう事件ですから、すぐ警察呼んでも構いません。
おおごとにしたくないという気持ちも分かりますが、犯罪が既に起こっています。
キャンプ場でソロの女性に馴れ馴れしい男は「ワンチャン狙っている」と考えて頂いて間違いありません。
まっとうな思考の持ち主であれば、「一人になりたくてソロキャンプに来ている人に話しかけたら迷惑だな」と思い至るはずですよ。
ここに対して反論がある男性は、身に覚えがある方ではないでしょうか。
キャンプが好きなモン同士で親交を深めたい!というのは、お互い合意がある場合のみ許されます。
はっきりNOと言われていないからOKなんだというのは願望からの解釈。
女性一人で逃げ場がない状況がどれだけ怖いか、という点を思いやれない想像力の無さを恥じてください。
ナイフや斧などの武器をあらかじめ用意することですが、これは隙という意味ではあまり関係ないです。
訓練していない非力な人が武器を振っていようが、犯罪者側に用意さえあれば対応できてしまうので。
どうせなら防犯ブザーやスプレーの方が良いです。
まとめ・キャンプ好きにも悪いやつはいる
ここまでの犯罪内容と対策を見て頂いて、お気づきでしょうか。
犯罪3の「暴行・脅迫」に対する対策が書いていませんね。
これはもう抑止とかじゃなく、即通報してください。
犯罪とまでいかない嫌がらせなどでも、話し合いで解決の見込みがなければ迷わず通報です。
私はこれまでキャンプ中に犯罪被害にあったことはありません。
それは自慢でもなんでもなく、「対策をしていてさらに運も悪くなかったから」というだけです。
危険そうなところは避けているのと、女性に比べ性犯罪被害に遭いにくい男であるというのもありますね。
男女関係なく、何も気兼ねすることなくキャンプできる世の中になれば最高ですね!
しかし有史以来、そんな時代は一度だってありません。今後も無いでしょう。
自己防衛できるだけの対策をして、キャンプにのぞみましょう。
少なくともキャンプ場の中は平和でありますように。
防犯の基本は意識のターゲットから外れることです。
対策をすることにより、アピールして犯罪者のターゲットから外れる。
そのための対策や行動はやりすぎるくらいでちょうど良いといえるでしょう。
また、自らターゲットになりにいくような行動や発信は絶対にNGです。
ご自身の防犯意識と比べて、いかがでしたでしょうか。
玉置さんのおっしゃる「対策や行動はやりすぎるくらいでちょうどいい」という意識を持つことが大事です!
記事監修
鍵・防犯のスペシャリスト 玉置恭一 氏
22歳から鍵職人として始動。ジャパンロックレスキューサービス株式会社 専務取締役、株式会社ミライアン 代表取締役を経て、
ジャパンベストレスキューシステム株式会社入社。同社退社後、株式会社ミライアン再始動。
現在は凄腕鍵開け職人として、多数のテレビ番組にも出演中。