焚き火の新マナー?焚き火シートの是非を問う
本日のテーマは、焚き火の時の地面保護シートについて。
荒れそうなテーマですよね!あえて踏み込んでみたいと思います。
最初に言っておきますと、私の個人的意見に基づいた記事ですのでこれが絶対の正義!というものではないです。
キャンプ場では、そのキャンプ場のルールに従うのが正解であり大前提ですよ。
新しいマナー・焚き火シート
焚き火をする時には、焚き火台を使う。
これは多くのキャンプ場で直火が禁止されておりますので、ルールとしてずいぶん浸透していますね。
その焚き火台の下に、地面を保護する焚き火シートを敷く。
これはここ数年で出てきた、割と新しい焚き火マナーです。
焚き火シートを敷いて地面を保護する目的は何なのかを考えてみましょう。
- 地面が芝生の場合、焦がさない(燃やさない)ようにする
- 土中の微生物が熱で死なないよう守る
- 散らばる燃えカスや灰を集めやすくする
こんなところでしょうか。
それぞれについて、ちょっと掘り下げてみます。
芝生の焦げ防止としての保護シート
まずは地面を焦がさないためにシートを敷くことについて考えてみましょう。
キャンプ場で円形や四角形に、真っ黒く焦げた草を見たことが無いでしょうか。
あるいは不自然に円形や四角形で枯れた草。
これは草の上で直火焚き火をしただけではなく、地面との距離が低い焚き火台などで、地面と近い位置で火を燃やすと熱で草が枯れたり焦げたりします。
熱いダッチオーブンなんかを草の上に置いても、その形に茶色く枯れますね。
この焼け跡の上に、テントを張りたいとはあまり思いませんよね。
そしてキャンプサイトがこうした焼け跡だらけだったら、多くのお客さんは「また来たい」とは思わなくなるのではないでしょうか。
ここはきちんと整備・管理されていないキャンプ場という印象を、後から来る利用者に与えてしまいます。
さらに「最初から焦げているから、自分も焦がしたり汚してもいいや」という間違った認識を与えてしまいかねません。
キャンプ場にとってはマイナスにしかならない行為です。
芝生の上では基本的に焚き火はせず、芝生が生えていない土むき出しのところを探す。
これが望ましいのですが、サイト全面が芝生の場合は焚き火台と保護シートを同時に使おうということにつながります。
そういった意味では、保護シートの使用はとても理にかなっていると言えます。
冬で地面が枯れ草の場合ですが、この場合は火災防止という点から敷く意味は大きいですね。
乾燥していて風が強いと、枯れ草に引火して燃え広がることが考えられますので。
保護シートにも色々ありまして、耐火スパッタシートは燃えませんが遮熱はできません。
脚付きの焚き火台で使うならスパッタシートでも十分ですが、その上に炭を落として時間が経つと、地面も焦げます。
すぐに火ばさみなどで拾って焚き火に戻せば大丈夫。
低い焚き火台を使う場合は板などを敷いて地面からの距離を開ける、ステンレストレーなど金属板をかませる、断熱もできるシートを使うのが望ましいです。
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ロゴスの新しく出た耐火・断熱シートは、従来耐火だけだったシートに断熱機能も付加していますね。
すでに耐火スパッタシートを持っている人が買い足すなら、断熱シートだけでも良いです。
黒いフェルトっぽいやつです。この上に耐火シートを敷きましょう。
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上の写真で敷いているのはチタンの金属板です。
チタン煙突の端材がちょうどあったので、焚き火台に流用しています。
地面への熱はほぼ完全に遮断できますが、燃えカスはあまり集めやすくないのでそんなにおすすめしませんw
収納性は良いのですが、巻きグセが付いていてちょっと敷きにくいですし。
下が芝生じゃない場合で、使っている焚き火台に脚がついていれば、そこまで神経質にならなくても大丈夫だと考えます。
もちろん薪が爆ぜて地面に落ちた時は、すぐ拾って炉に戻してあげてください。
微生物が熱で死なないよう守る意味
土の中には無数の微生物がおりまして、こいつらを熱で死なないように守るために焚き火シートを使うという考えがあります。
これは本当に微生物を殺すかどうか、ということはあまり重要ではありません。
自分が来た時と、帰った後で自然環境に変化を与えない、ローインパクトな思考に基づいていると思います。
というのも、土の上で直火をしたところで少しするとそこから雑草が生えてくる。
微生物全然死なねーじゃん、という事実があります。
表面の土を多少炙ったところで、地中の生物にはそれほど影響は無いんでしょうね。
直火だと黒く焦げ跡は残るので、そこの原状復帰は必要だと思いますが、微生物うんぬんじゃなく痕跡を残さない景観保護の面からです。
木の近くで焚き火をするのは微生物とはまた別で、木の根を熱でやっつけてしまうのでNG行動です。
アウトドアの基本は、自分が利用する前後で同じ状況にして帰ることです。
さらに自分が出したものじゃなくても目についたゴミなどは捨てて、来た時よりちょっとキレイにできればベスト。
そして自然環境に与える影響をできるだけ低くローインパクトを心がけたい人は、焚き火シートを敷いた方が望ましいんじゃないかと言えます。
この微生物保護理論については、他人に強制せずある種の自己満足で行うものと考えています。
もちろん自然への影響は少ない方が好ましい!とは思うんですけどね。
自然への影響をゼロにしようと思ったら、焚き火なんてそもそもNG。
自然の中を歩くことすらできません。
地面を守るあなたが歩く足の下でも微生物が潰れて死んでますよ、って話ですよね。
人が生きる上で他の何も犠牲にしないことなんて、絶対無理なんです。
生物を保護する実質的な意味は無いとしても、それを喜んでやっている人を笑ったり批判するのもちょっと違うかな、と思います。
焚き火シートを敷くこと自体に、得はあっても損も害もありません。
本人が満足してやっているのであれば、放っておいてあげたらいいですよね。
燃えカスや灰を集めやすくするための保護シート
焚き火をすると必ず出るのが、灰です。
灰になりきらない、黒い炭の細かな燃えカスも出ますね。
炭のカケラも残さず燃やし尽くすのは、燃焼効率の良い焚き火台で付きっきりで火の面倒を見るならできますけど、そこまで時間が無いことが多いです。
大小ひっくるめて、火消し壺に入れて終わりです(私の場合ですが)。
焚き火台の形によっては、この灰や燃えカスが地面に落ちやすいものがあります。
黒い燃えカスは手で拾えますが、白い灰は細かくしかも潰れるので拾いにくいです。
灰はある程度拾って、あとは目立たないよう散らして諦めるということになります。
灰なら黒い炭と違って風で散り雨でも流れますし、肥料に使うぐらいなので自然に還ります。
それでも自分が灰を撒き散らかすのは、あまり気分が良いものではないですよね。
灰がたんまり積もった地面の上に、皆さんテントを張りたいと思うでしょうか。
焚き火シートを敷いていると、飛び散った灰も含めて集めやすくなります。
もし焚き火シートが無いと、手で拾い集めるなどして掃除の必要があります。
焚き火シートを敷いていた方が、後片付けがちょっと楽になります。
自然への影響とかは置いておいても、片付けは楽な方が嬉しくないですか?
まとめ
焚き火シートを敷くと、恩恵は色々と受けられます。
しかしどんな状況でも絶対に敷くのがマナー、ということではないですね。
- キャンプ場で焚き火シートを使うようルール化されている場合は従う
- なるべく草の上は避けて焚き火する
- 芝生の上では焚き火シートを使った方が草を焦がしにくい
- 自然に与える影響をなるべく小さくするためには焚き火シートを使った方が良い
- 後片付けは焚き火シートを使った方が楽になる
私の場合ですが、地面が芝生じゃなければ焚き火台の下にシートは敷かないことが多いです。
地面が土や砂利の場合は、だいたい焚き火台だけです。
地面に熱が伝搬しにくく、もし伝搬したとしても焦げたりしないからですね。
焚き火台が灰がこぼれやすいものだったら、なるべくシートは使いたいと思います。
ユニフレームのファイアグリルや薪グリルラージの場合、そんなにこぼれないです。
落ちても手でパパっと拾い尽くせるぐらい。
他の手持ち焚き火台ですと、ユニフレーム薪グリルSOLOとウルフアンドグリズリーのファイヤーセーフでは大体敷いてます。
どちらも地面との距離が近い上に、ファイアグリルなどに比べると灰がこぼれやすい(こぼれた跡が目立つ)からですね。
地面との距離が近いことで、遠くまで灰が飛び散らず真下に落ちやすいのでシートで集めやすいです。
地面が芝じゃなく土や砂利だったら熱は気にしませんが、燃えカスは拾いやすい方が嬉しいので。
俺がこうやっているから、これが正義だ!みんなもこうしろ!というものではありません。
自分が焚き火したあと、草が焦げてたら申し訳ない気持ちになりませんか?
焦げ跡が問題になってキャンプ場が閉鎖されたら、遊び場が減って困りますよね?
「あいつのキャンプ跡きたねーな」と思われるのは恥ずかしいし嫌じゃないですか?
チマチマ燃えカス拾いせず、後片付けはきれいに素早く終えて帰りたくないですか?
自分の後にその場所を利用する人にも、気持ちよくキャンプしてほしいと思いませんか?
焚き火警察に突っ込まれるの面倒くさくないですか?
一つでも当てはまる方は、焚き火シートは使うことをおすすめしますよ。
マナーだから敷く、という以上に使った方が自分の利益にもなるからです。
荷物がちょびっと増えるぐらいで、使うことで不利益になることは無いのでどんどん使ったらいいと思います!
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