キャンプコラム・コットンテントは火に強い?それは幻想です。
キャンプギアを購入しているのですが、レビューが追いついておりません。
家で写真を撮るよりも、外で撮りたいというのもありまして。
そんなわけで今回は、写真少なめで書けるキャンプコラムになりますw
タイトルにもあるように、コットンやポリコットンのテントは火に強いのか?という件。
最近ツイッターで見かけた話題で、ともすれば誤認されている方もいるかと。
過去に薪ストーブの記事などでも触れていましたが、周知のためには何度でもくりかえします。
コットンのテントは火に強い!って本当?
画像はひさし部分がコットンの炎幕DX EVOです。
コットンやT/C(ポリコットン)の売り文句の一つに、「コットンなので火の粉に強い!」という文を見たことがないでしょうか。
結論から先に申しますと、これは条件次第です。必ずしも火の粉に強いとは言い切れません。
布素材の燃焼温度比較
いきなりですが、テントやタープに使われることの多い素材の燃焼温度の表です。
素材 | 軟化点 | 溶融点 |
コットン | なし | 約275℃~456℃ |
ポリコットン | ものによる | ものによる |
ポリエステル | 約240℃ | 約255℃~260℃ |
ナイロン | 約180℃ | 約215℃~220℃ |
データは砥石と研削・研磨の総合情報サイト toishi.info さまを参考にさせて頂きました。
軟化点は熱で柔らかくなってしまう温度、溶融点(ようゆうてん)は固体を保てなくなり液体になる温度です。
ポリコットンはコットンとポリエステルの混紡素材ですので、それぞれがどの程度の割合で含まれているかで変わってきますが、コットン以下・ポリエステル以上になると言えます。
コットンとポリエステルの溶融点に、あまり差が無いことにお気づきでしょうか。
最大値こそコットンは456℃ですが、最低値は275℃と15℃しか変わりません。
糸の太さや織り方なども影響すると思われますが、それでも456℃では溶けてしまいます。
キャンプ中に接する炎の温度
炭の温度は約800℃。
焚き火の炎の温度は約1000℃。
いずれもコットンの溶融点を余裕で超えています。
なので直接火に入れたら、当然燃えます。
炭の布、チャークロスを作ったことがある方だと分かりやすいですよね。
コットンが燃えにくいわけがないと。
こいつは酸素を遮断したコットンを焚き火に突っ込んで作ります。
作り方を分かりやすく解説している外部サイトのリンクを張っておきます。
焚火中に自作チャークロスを作って挑戦してみよう! ヒロシ流火起こし術を徹底解説!
誰が書いたのかと思ったら、私でした!
話を戻して、炭火や焚き火を燃やしていてこれらがバチンと火の粉が弾けた時は、空気中で冷やされつつ飛んできます。
これが布素材に落ちたとしても、布の溶融点に達せず温度が下がってくれれば穴は空きません。
コットンの場合はその余裕が他の繊維より大きいので、「ナイロンやポリエステルに比べると、コットンは火の粉に強い」と言えるわけです。
火の粉に強いと言って売っているメーカーさんも、小さく書いていると思いますよ。
燃えないわけではありません、とか。
難燃加工と防炎加工
コットンでも安心できない、ということはお分かり頂けたと思います。
では難燃加工や防炎加工がしてあれば良いのか?
残念ながらNOです。これらは火が着いたとしても、燃え広がりにくいようにする加工です。
それより上を求めると、不燃布や不燃加工になります。
最近焚き火台の下に敷くのが流行っている布ですね。
モノによりますが、1000℃ぐらいになっても燃えません。
地面に与える熱を遮断する断熱性に関しては、また別問題です。
結局テントやタープ近くでの焚き火はどうしたらいいか
結局火に勝てるようなテントもタープも無いんです。布ですから。
コットンやポリコットンだからといって、火に強いんだと過信しないことです。
燃える温度になったら燃えます。難燃加工でも同じ。
火の粉が熱いまま付着しないよう、距離を取って焚き火をするということが大事ですね。
雨の時にタープ下で焚き火をする時は、ポールの長さを長くして、炎を大きくしないよう慎ましく燃やす。
私がタープ下で焚き火をする場合は、ポールは200~215cmぐらいにしてます。
炎の高さは、座った時に脚のスネぐらいの高さでおさえる感じで。
これ以上は危険が危なくなってきます。
タープはどうしても煙臭くなりますが、これはどうしようもないです。
キャンプでの失火は、自己責任だけじゃ済みません。
キャンプ場の設備はもちろん、他のお客さんの命をおびやかすことにもなります。
密集したキャンプ場で安全な距離が取れないなら、焚き火はスッパリあきらめましょう!
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